設立後の運営
NPO法人の運営も労力と時間が多くかかります。
NPO法人も一般企業と同様に税務関係、労働保険関係、社会保険関係の手続が必要になりますが、さらに毎事業年度1回以上の総会開催、役員の改選等定款に定められたルールに則った活動や組織運営及び会計処理、所轄庁や法務局への所定の書類の提出など、特定非営利活動促進法やその他の法令、および定款の定めに従って活動していく必要があります。
実際、これらの書類提出を怠ったために認証取消となったNPO法人もあります。
NPO法人設立後、すぐに届けるべき書類
税務関係(税務署・都税事務所)
・法人の設立等報告書…すべてのNPO法人が届け出る必要があります。
届出先…県税事務所、市町村役場
・収益事業開始届出書…税法上の収益事業を行うNPO法人は届け出る必要があります。
届出先…税務署
・青色申告の承認申請…青色申告の承認申請を行うNPO法人が対象です。
届出先…税務署
・給与支払事務所等の開設届出書…従業員に給与を支払うNPO法人は届け出る必要があります。
届出先…税務署
労働保険関係(人を雇用する場合)
・労災保険…労働者を1人でも使用しているNPO法人
届出先…労働基準監督署
・雇用保険…労働者を1人でも雇用しているNPO法人
届出先…公共職業安定所
・その他
労働者を10人以上使用するNPO法人 ⇒ 労基署へ「就業規則」の提出
時間外勤務・休日勤務があるNPO法人 ⇒ 労基署へ労働協定(36協定)の提出
社会保険関係(人を雇用する場合)
・健康保険・厚生年金保険…常時、従業員を使用するNPO法人
当事務所にお申し出いただければ、上記届出は提携士業と共同で行います。
毎事業年度終了後3か月以内に届けるべき書類
作成しなければならない書類
- 事業報告書
- 財産目録※
- 貸借対照表
- 収支計算書
- 前年度の役員名簿
- 社員名簿
設立の登記完了後、設立申請時に作成した財産目録とは別に、改めて財産目録を作成し、事務所に備え置くことが必要です。
変更があった場合の届出
毎事業年度終了後2カ以内に資産総額の変更登記
NPO法人は、資産の総額が登記事項となっています。通常、資産総額は毎年変動しますので、事業年度終了後2カ月以内に変更登記する必要があります。
役員の変更があった場合
役員の新任、再任、任期満了、死亡、辞任、解任、氏名又は住所(居所)の変更があった場合は、所轄庁への変更届出が必要です。
※ 理事の変更の場合は、法務局で変更登記が必要
定款の変更を行う場合
A 軽微な事項
(1)所轄庁内での事務所の所在地の変更 (2)資産に関する事項 (3)公告の方法の3つの事項に限定されています。
※これらの変更は、所轄庁への定款変更届出が必要です。また、事務所の変更の場合は、法務局で変更登記が必要になります。
B 軽微な事項以外の定款変更
所轄庁への定款変更認証申請が必要です。千葉県の場合、申請後縦覧期間を経て3か月以内に認証・不認証の決定がされます。(所轄庁の認証を受けなければ定款変更の効力は生じません。)
※ 目的等登記事項に変更があった場合は、法務局で変更登記が必要
改正により、①役員の定数、②会計に関する事項、③事業年度、④解散に関する事項(残余財産の帰属すべき者に係るものを除く)も認証が不要となります。
NPO法人の会計について
NPO法人は公益上の法人である以上、正確な会計処理が要求されます。
NPO法27条
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このようにNPO法人は、経理担当者をおくか、外部に依頼して、しっかりとした会計処理を行うことが必要になります。